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義母との時間 [ザクセン&ザクセン・アンハルト]

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現在、今年の夏旅の話を連載中。

これは義母の家での朝食。コーヒーにフリカデレ。
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フリカデレというのはドイツのハンバーグのことで、ドイツのハンバーグというのはスパイスを利かせて焼き、お好みでケチャップをつける程度で、乾いている塊を手に持ってかじって食べる軽食。日本風のソースのかかった切ると肉汁のしみ出るハンバーグのメインディッシュのイメージとはかなり異なる。

2日目の朝も同じ。この日は義母は手術の日で、朝食抜きとの医師の指示で、義母はコーヒーだけ。
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写真は撮らなかったが、3日目の朝も全く同じ。このハンバーグはスーパーで買った出来合いので、冷蔵庫に大量に置かれていて、冷たい塊を毎朝ごろんごろんと並べただけ。フリカデレ、嫌いじゃないけど、これだけの朝食を3日連続って凄いなあ・・・スーパーで出来合いのを買うなら、ハムやチーズだってあるのになあ。どうしてこのハンバーグだけを20個も買うという発想に至ったのかなあ・・・他にパンとチーズでもあれば、またはトマトかキュウリでもあれば、フリカデレにももっと食欲が湧いたと思うんだけどなあ・・・このフリカデレは日本のハンバーグの3倍くらいの大きさと5倍くらいのぎっしり・もさもさ感があって、おなかにどっしりときて、飽きる味なのだった。

まあでも、これがドイツの普通の食卓であるとも言える。いや、フリカデレを用意するのが普通だという意味ではなく、毎日同じものをパックから出して並べるだけ、というところが。めぎが昔々ホームステイした家庭でも、朝は毎朝同じパンとハムとチーズで、繰り返すが本当に毎朝毎朝全く同じパンとハムとチーズで、それもどれもスーパーのパックのまま食卓に並べて味気なく、この人たちこれで飽きないのかしら・・・と思ったものだった。ちなみに実は夜も朝と同じパンとハムとチーズだったので、一日に2回同じ食事をするのを一ヶ月続けたのだった。ドイツ人というのは一般的に食事に気を配らない人たちで・・・もちろんグルメなドイツ人もいるが・・・「食事は時間が勿体ないが、食べないと死ぬから食べなければならない」といった言葉があるほどで、毎日同じメニューでも一向にかまわない人が多いのだ(まあ日本人だって、毎朝同じパンとトースト、または毎日ご飯に味噌汁に漬け物、といった人が多いだろうけど)。義母はその上、食事が不味いことで世界的に定評のあるイギリスに20年もいた人なのだから、毎日同じ出来合いフリカデレも御馳走なのかも知れない。

朝食後午前中は、1日は義母を連れて近郊へドライブして昼食を外で食べ帰宅(本当はこのとき祖先の洗礼の記録を見るはずだったのだが、義母が手続きを誤ってうやむやに)。もう1日は義母をマイセンの病院に連れて行き、手術が終わるのを待ち、昼過ぎに連れて帰宅。さらに最終日も朝食後マイセンの術後検診へお送り。

そして午後は写真整理。この大きな写真が義母。
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あれこれと質問しながら整理していくのだが、もちろん義母はその一枚一枚に思い出がある訳で、色々なエピソードが彼女の口から飛び出してくる。その話の大半は、彼女の本当の父親が如何に偉大であったかということの他は、彼女は小さい頃からとても優秀で何もかもずば抜けていて、母親と継父との間に生まれたあとの妹弟は極めて平均的だったので何も自分に適わず、みんな自分にコンプレックスを持っていた、という話に尽きる。
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凄い。ここまで来ると、本当に凄い。恐れ入る。まあ彼女一人お「貴族」さまで、あとはみんな下々の者なのだから、当然かも知れない。我々に気を許してそう話しているのかも知れないが、なんたる自信。人生をこれで通して突っ走って82歳まで病気もせず健康なのだから、そして、この小さな町で有力者として君臨している訳だから、万々歳なのかも知れない。

その日の作業を終えたら、地下室から出してきたワインで乾杯。
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そう言えば、彼女は白内障の手術の前日も普通にワインを飲んでいた。いいのかな。まあ、その辺は彼女の自己責任なので、めぎはもちろん息子さえ何も口を挟まなかったが。

めぎ家が到着した日の夕食は、昨日の記事のように外のレストランへ食べに行き、それ以外はうちのドイツ人が用意。2日目は前日のあのトマト冷製スープの残りをスターターとし・・・
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うちのドイツ人がデュッセルドルフから持参したラム肉をオーブン焼きに。本当はこれを外でバーベキューするつもりだったのだが、面倒でオーブン焼きに変身。二十日大根もデュッセルドルフから持参。まあ、食べきれなかった野菜をここへ持ってきたということであるのだが。
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3日目は卵を産まなくなった雌鶏のガラスープ。雌鶏ガラもスープの出汁用の野菜もデュッセルドルフから持参。スープを作ったのは、手術を終えたばかりの義母がこの後数日は温めるだけで食事が出来るように。
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この日は手術をした日なのだが、夕方にはこんなので乾杯。ホントにいいの・・・?と内心思いつつ、義母が出してきてグラスも3つ出してきたのだから、誰も口を挟まず。健康は最も個人的な領域だから、家族でさえも口を出さないというのがドイツの教育(それにはナチス・ドイツの反省が大いに絡むのだが・・・病人や障害者を「処理」するという国家だったので、戦後そのようなことがないように、徹底的に改革したのだ)
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食事を作ってもらって嬉しそうなキャプテン・ロック状態の義母。本当に本当に本当に、心底嬉しそうな満面の笑み。だって、息子が作ってくれたんだものねえ。ホント、幸せよね~お酒も煙草も好き放題だしね~
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↑義母がTシャツにつけているバッチは猫の絵。手術をするクリニックで、他人と間違えられないようにするためにつけたのだとか。いや、誰も間違えませんって!


撮影: D600 + 20mm(F1.8)
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Baldhead1010

うちの母もだいぶ惚けてきて、カカも相手が大変^^;
by Baldhead1010 (2016-08-18 04:34) 

Inatimy

全く同じものを食べ続けるのより、微妙に違うものを食べたいな^^;。
ホームステイで、まるいビスケット7枚と紅茶を
毎朝出されたことがありますが、見たくないほど飽きました・・・。
血の繋がった親子でも兄弟姉妹でも、どうしても分かり合えないことって
ありますよね・・・。
by Inatimy (2016-08-18 07:08) 

ナツパパ

義母さん、堂々と人生を過ごされてきたのですね。
どうぞこのままお元気で、としか申し上げられません。
それぞれの人生には、それぞれのことがあって、
それらはみな一本に繋がっているんですねえ。
...因果応報、というとネガティブになっちゃうのですが。
by ナツパパ (2016-08-18 08:36) 

stellaria

年配の方は何度も同じ話をしますが、それがその方にとって大事なエピソードなんだろうな…と思って聞くようにしています。でも、ここまで自信満々だと聞いている側が疲れるでしょうね〜。お疲れさまでした。お母様は、たくさんお話を聞いてもらえて嬉しかったと思いますよ。
by stellaria (2016-08-18 21:40) 

もとこさん。

めぎさん、こんばんは。
ず~~っと遡って拝見致しいました。
とても楽しく、また重く、読ませて頂きました。
残るお休みをお楽しみください。
by もとこさん。 (2016-08-18 23:08) 

engrid

義母さまの、人生の歩みに敬服いたします
押し通せるところが、すばらしい
どうぞこのまま貫いて、お元気に暮らしてくださいませ
とか、申し上げられませんね
もう、他の人が口を挟む余地はないよなね
by engrid (2016-08-19 18:19)