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義父の奥さんのこと [ハンブルク]

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現在先週末のハンブルクの話を連載中。

今回ハンブルクに行ったのは、亡き義父の奥さんが1月に会いに来て欲しいと言ったから。その理由は、奥さんがクリスマスプレゼントとうちのドイツ人への誕生日プレゼントをめぎたちに直接渡したかったから。その理由は、この丸い木のぐるぐる回るプレート(Drehtellerというが、直訳すると「回る皿」)を送るための箱が見つからなかったから。その理由は、奥さんが出かけるのが億劫で、郵便局まで行って箱を買ってパッキングして送るという作業をしたくなかったから。
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寒いし道路は凍結しているところもあるし、奥さんが外に出たくない気持ちは分かる。だから、箱が無いから送れない、だから取りに来て欲しい、という我が儘も、まあよしとしよう。きっと亡き夫の縁の人とおしゃべりしたいのだろうし、年取った一人遺された女性としては誰かが訪ねてきてくれるのはこの上なく嬉しいことなのだろうから。でも、正直なところ、このプレゼントを渡す以外に用事もなく、お天気の話とか昔の彼女の同僚のオペラ歌手の思い出話(既に何度も聞いた話の繰り返し)とかを聞きに、忙しい学期末の成績判定期間中の週末をつぶしてアイスバーンの危険を冒して往復1000キロも移動して出かけたくはなかったなあ・・・しかも、一般にドイツ人はどんな小さなプレゼントでも綺麗な包み紙に包むので、こんな風にむき出しでもらうのは初めての経験(注:ドイツではお店の人が包装してくれることは稀で、普通自分で包み紙を買って包装する)。夫を亡くしてから、そして歳をとったから、色々と面倒になったのかも知れないが、こういうのは日本風にいえば現金を袋に入れずそのまま渡すようなイメージ。方や、うちのドイツ人の同じく連れあいを亡くした実の母親の方は、何を送るにも(中身がどんなにつまらないものでも)常に季節の包み紙に凝ってバッチリ綺麗に包装してくれる。その違いがあまりにくっきりしていて、義父はこちらの女性の方を好んだんだな、となんだかちょっと不思議な気がしたり。

奥さんが用意していたお茶菓子。レーズンパンを薄切りにしてバターを塗ってその上にジャムか蜂蜜を塗ったもの。
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ヒヤシンスと・・・
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チューリップが綺麗だった。
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アマリリスはちょっと終わりかけ。
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この蝋燭立てと如雨露の曲線美、いいわねえ。
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お茶の後はスパークリングワインのカシスリキュール割り。でも、このときうちのドイツ人だけお酒は我慢。飲んだのはめぎと奥さんだけ。
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日が暮れたのは4時半過ぎだったかしら。5時半頃から軽く食事。
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ブロッコリーとグリーンピースのクリームスープ。ブロッコリーは冷凍食品を使った所為か、崩れてしまったとのこと。トッピングは煎ったアーモンド。
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それから国立オペラ座に7時半開演のバレエを見に出かけた。さっきうちのドイツ人がお酒を飲まなかったのは、車の運転のため。見たのはジョン・ノイマイアー振り付け、Lera Auerbach音楽のPréludes CV(プレリュードCV)というモダンバレエで、こんな雰囲気。写真はハンブルク国立オペラ座のホームページからの引用。
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このバレエは2つの組曲からなっていて、タイトルのCVのCは1曲目の音楽がチェロ(Cello)とピアノで奏でられることを指し、Vの方は2曲目がバイオリン(Violine)とピアノで演奏されることに因るようだ。内容的には、2曲目の途中まではなかなか素晴らしいなあと感じていたのだが、2曲目後半からどうも飽きた。同じような繰り返しのように感じたのだ。次回はやっぱりストーリーのあるバレエを見に行きたいな。

さて、このバレエだが、もちろん奥さんと3人で行く予定だった。奥さんが行くとのことで、めぎたちもいつもの桟敷席とかじゃなくて、1階のボックス席最前列のチケットを買ったのだ。3人分で200ユーロ近く(これを払ったのはめぎ)。これって、めぎたちがあのバイロイトで3夜分の席に払った総額とほぼ同じ。ところが、奥さんはなんとドタキャン。体調が悪いわけでもなく、ただ寒くて外に出るのが面倒だからと。車でオペラ座駐車場に乗り付けるのに?えええええ。ハンブルク国立オペラ座のチケットは返却することが不可能なので、奥さんの分のチケットは払い戻しもできず、その日は空席もあったので開演前にチケットを買いたい人も現れず、無駄になってしまった・・・全く、何のためにハンブルクまで来たんだろう?バレエを見るためなら、3月や5月にもっと見たいバレエがあったのに。そのためにだったらめぎ一人ででもハンブルクへ行って、その旅費と宿代とチケット代として200ユーロ是非使いたかったのに。

とにもかくにも、そのようなわけでめぎたちだけ行って、11時近くに戻ってきて、11時半頃から赤ワインをお伴に夜食。奥さんが前日から用意しておいてくれたという紫色の豆と羊のチーズのサラダと(豆は既に煮た状態のが缶詰に入っているもので、それをざるにあげて、羊のチーズを切ったものとネギやタマネギやリンゴのみじん切りとバルサミコや塩・胡椒などを混ぜたもの)・・・
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チーズ盛り合わせ。
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めぎは途中からもう眠くて朦朧としてきたので早々にお暇し、爆睡。

次の日は少しゆっくり9時過ぎに起きて、朝食は10時半頃からだったかしら。
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あの丸い木の回るプレートは、こんな風に使う。いつもこのうちに来る度にこれ素敵だなあと思っていたので、いただけてうれしい。奥さん、ありがとう。
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それから少しおしゃべりして、うちのドイツ人が父親の遺品から欲しい本を選んだりしていた。めぎも欲しい本を見つけてうちのドイツ人にこそっと伝えたり♪ もとオペラ座付きの歌手だった奥さんは音楽が好きで日々遺品のCDを聞いたりラジオのFMを聞いたりしているようだが、本には全く興味がないらしい。所望したカネッティもグリンメルスハウゼンも何の本か分からないみたいだった。

あ、そうそう、このバラはめぎ家からのお土産。花好きな奥さんのために。
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実はうちのドイツ人はクリスマスプレゼントとして奥さんに日本の陶磁器の花器を送っていた。日本の陶磁器を売るお店がデュッセルドルフにあって、当然のことながらかなりお高い。でも、うちのドイツ人は花好きの奥さんのために、遺産相続の件などできちんと対応してくれたお礼も兼ねて、奮発して素敵な花器を買って送ったのだった。それはクリスマス前に無事に届いていて、お礼の電話ももらったのだが、今回部屋のどこにもその花器が飾られていなかった。それはドイツの常識から考えてかなりナンセンスなこと・・・一般にドイツ人というのは、何年も前に送ったカードとか写真とかプレゼントとかを(ハッキリ言ってわざとらしいことこの上ないが)お客が来るときに全て取り出して居間にずらっと並べて飾る人たち。奥さんは、つい先日送ったばかりのあの花器を開けて出しもしないでそのままどこかに仕舞っちゃったということかしら・・・うちのドイツ人をわざわざ呼び寄せておきながら?むむむ。いつも優しいうちのドイツ人も、帰りの車の中で「彼女にはあの花器の価値が全く分からなかったんだね、出してもいないとは失礼だなあ、IKEAや1ユーロショップで適当なのを買えばよかった」などと言ったほどがっかりしていた・・・ひええええ。いや、めぎの考えでは、あの奥さんはヨーロッパ風の形や飾りがお好みで、アジアのものにはもともと興味なかったと思うのだけど。このうちの中を見れば分かるじゃない?

帰宅してから、奥さんは電話で次は2月のカーニバルのときに来てくれるんでしょ、みたいなことを言ったらしい。それでうちのドイツ人は完全に切れてしまった。義父が生きていた頃でもハンブルクの家を訪ねるのは一年に一度あるかないかだったのに、毎月毎月行けるはずもないし、行きたいとも思わない。奥さんはそういうことに気がつかないのかなあ・・・歳をとるというのは、好かれるおばあちゃんになるというのは、難しいな。実の母親の方は腹を立てたり文句を言ったりしつつもまあ親子だから憎しみの裏にも血のつながりによる愛情があってつきあいは続いていくわけだが、うちのドイツ人がもう30歳を超してから父親と再婚した奥さんのような赤の他人だとそうはいかない。義父が亡くなって、もう分けるものもだいたい分けてしまい、今度奥さんに何かあったら彼女の息子が相続するわけで、ハッキリ言えば気持ちが離れていったらそれでお仕舞いの関係なのだ。

義父が亡くなって一年二ヶ月。今まではここに来ると、いるはずの義父がいなくて寂しかった。義父の家を訪ねているのに義父がもはやいない、というどうにも納得しがたい気分だった。でも今回初めて(めぎだけじゃなくてうちのドイツ人も同様に)、ここはすっかり奥さんの家になったという気がした。特に模様替えしたわけではないのだけど、不思議ね。
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帰宅の途についたのは先週日曜日の1時頃。ハンブルクの話はこれでお仕舞いなのだが、明日はめぎがハンブルクのこの奥さんの家で最も楽しくずっと時間をかけていっぱい撮った写真のいくつかをご紹介。ここに行くまでその楽しみがあることをすっかり忘れていたのだが、そうそう、ここには冬にはこれがあったのよね・・・さて、なんの写真でしょう?


♪ 現在のデュッセルドルフ ♪

ようやく日常の週末が戻ってきた。この土曜日は今年最初のブンデスリーガ。うちのドイツ人の飲み物は相変わらずプロセコにカシスリキュール。めぎは自分で作ったグリューワイン。
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この日のつまみはハンブルクの奥さんから残りをもらってきた紫色の豆のサラダとエビのマヨネーズ和えと・・・
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茹で鶏にキュウリ。これは黒ごまをかけてあって、山葵醤油で。
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バイエルンにあのバルセロナの元監督が来るというニュースが駆けめぐったのはもう数日前。あの監督、ドイツ語を勉強するつもりなのかしら。それとも英語で指示するつもりなのかしら。通訳を使うのかしら。バイエルンをどんなチームにするのかしら。バイエルンはあの監督に応えられるチームなのかしら。まあ、それを見ることができるのは半年後からだけど。それまであの監督、何をするのかしら。
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もんとれ

なるほど、あの贈り物と渡す時期の違和感はこれでしたか。人間、歳を重ねて経験値から学習、成熟する面もあれば、加齢で情動反応を制するものも薄れてゆくし、生来の種子、素養が露わにもなりますものね。拝読しながら、自分が彼女くらいの齢になったとき、はたしてエゴや心身のコントロールをはかって、人に迷惑をかけずに美しい老人になれるかどうか考えさせられました。なで肩ボトルのカベルネって初めて見たかも。
by もんとれ (2013-01-20 04:38) 

ちばおハム

いつもながら、うちのドイツ人さんの義理堅さが偉いなあと感心してしまいます。
何の写真だか、思いつかない。何だろう。明日が楽しみ
by ちばおハム (2013-01-20 06:17) 

YAP

歳を取りすぎると、自分のことしか考えられなくなりわがままになるものでしょうか?
亡くなった祖母たちや、自分の両親のことを思い出しました。
うまく歳をとるのも難しいですね。
自分がそんな年寄りにならないようにしなきゃ。
by YAP (2013-01-20 06:56) 

Inatimy

お付き合いの距離感と贈り物の好みは本当に難しいですよね。
ドイツ人さんのショック、お察しします。
あれこれ積もり積もって、段々と足が遠のいちゃうかなぁ・・・。
めぎさんの冬の楽しみ・・・なんだろう?
by Inatimy (2013-01-20 07:34) 

Baldhead1010

今朝の起床遅かったです。

5:20でした。
by Baldhead1010 (2013-01-20 07:34) 

のの

結婚相手の親が離婚してたり再婚だったりだとホント複雑ですね(^^;)
嫁としては気も遣うけど使いすぎても余計なお世話だし
使わなすぎてもまたマズイし・・・・・悩むこともありそう(^^;)
うちの旦那さんのご両親も離婚してるので、えー・・・と・・・いろいろあります・・・・w
でもでも、このお義父様の奥さんの行為は頂けませんね;;隣町から呼ぶのと訳が違いますもん。
人間として、人付き合いのルールとして、常識外れかと・・・。ドイツ人さんのお気持ちお察しいたします・・。
by のの (2013-01-20 08:46) 

ぽりぽり

ドイツのプレゼントは難しいのですね。 チーズの盛り合わせが美味しそうです。
by ぽりぽり (2013-01-20 09:47) 

HIROMI

ドイツの方々が包装にこだわる、というのは意外な感じがしました。
エコ優先で、包み紙は無駄、と考えるのかとおもってましたので。
でも、何かの本で、贈り物の包み紙は大事にとって置いて他のものを包むのに使う、と書いてあったのを読みましたが、それは本当かな?
by HIROMI (2013-01-20 09:50) 

manamana

それぞれの思いが交錯する場面ですね。
by manamana (2013-01-20 10:10) 

rino

贈り物って本当に難しいですね。他人に対してもそうですが、家族に対しても。
義父さんの奥さんとのお付き合い、今後も難しくなりそうですね。
by rino (2013-01-20 10:43) 

テリー

ドイツでの親族のお付き合い、垣間見せていただきました。
なかなか、難しいものですね。
by テリー (2013-01-20 12:22) 

ナツパパ

歳を取ると言うことは、そういうことなのかもしれません。
父は今年90歳になりますが、自分のことでいっぱいです。
さいわい、母やわたしたち夫婦の言うことを聞いてくれるので、
助かっているのですけれど。
by ナツパパ (2013-01-20 18:31) 

マリエ

人の心はなかなかに難しいです。 でも蝋燭たてはステキですね。
by マリエ (2013-01-20 19:37) 

miffy

若い頃はよく気がつく人でも歳を取ると自分のことしか考えられなくなってくるみたいですね。
自分がその年令になる頃には若い人に嫌われないようにしたいものです。
by miffy (2013-01-20 21:41) 

stellaria

我がままで自分勝手なお年寄りが私は大の苦手で、自分もいずれそうなって子どもたちやそのパートナーに迷惑をかけるのかと思うと、今からぞっとします。遠方ですし、度々は行けないということを説明して、少し距離を置いたおつきあいをなさってもよいのでは? 都合の良い時にお墓参りに行って、そのついでに、奥さんの顔もちょっと見に行く、くらいの気持ちで…。
ただ、急にいろいろなことが億劫になったり、甘えが強くなったりしているようなのが、少し心配ですね。ただの我がままならいいのですが、奥さんが心身ともに急激に弱っていかれるようなことがなければいいな…。
by stellaria (2013-01-20 22:04) 

luces

他人なのに身内で、考え方や好みも違って、いろいろ難しい関係ですね。考えさせられます。
by luces (2013-01-21 08:54) 

mimimomo

ふ~~む、難しいですね。
以前から、全く血の繋がりのない方々と、随分親しくするのってドイツ風なのかしら~っと疑問に思っていましたが、きっとめぎさんたちは、親切心でなさっていたのよね~
上手く歳をとらなくちゃ~っと自分に言い聞かせます^^
by mimimomo (2013-01-21 19:09) 

Bonheur

お付き合いの多いめぎさんご夫婦、時には違和感を感じられることがあるかと思いますが、あまり記事でそういったことを拝見した記憶がありません。この記事ではっきり書かれているということは、今回は余程のことだったのですね。この方には、残念ながら、めぎさんご夫婦の気持ちが全く通じていなかった・・・私も読み進めながら、ため息が出ました。
年を重ねても、我儘にならない人はたくさんいます。自分自身も気をつけないと、と思いました。
by Bonheur (2013-01-22 09:35)